訪れた場所と時期
茨城県・水戸市
2026年4月
長女:中学3年生
次女:小学5年生
中学受験との関連
水戸駅に降りると、まず目に入るのが黄門様の像。
「水戸といえば水戸黄門」というイメージは、やっぱり強いですね。
今回の目的は、弘道館でした。
弘道館は、江戸時代に水戸藩がつくった藩校。
水戸藩士とその子どもたちが学び、文武両道を目指した場所です。日本最大規模の藩校で、医学や天文学、蘭学など幅広い学問も学ばれていたそうです。
水戸藩といえば、徳川御三家のひとつ。
そして幕末になると、水戸藩は歴史の大きな舞台になっていきます。
桜田門外の変に関わった人たちも、水戸藩と深く関係しています。
教科書に出てくる「幕末の登場人物」が、ここでは一つの土地につながって見えてきます。
そして、徳川慶喜。
最後の将軍となった徳川慶喜は、5歳から11歳まで弘道館で学びました。大政奉還の後には、ここ弘道館の至善堂で謹慎しています。
実際に、その部屋を見ました。
当時の部屋が、そのまま残っている。
さらに、当時使われていたトイレまであります。
歴史上の人物も、ここで生活していたんだな、と急に身近になります。
でも、私が一番感じたのは、そこではありませんでした。
徳川慶喜は、天下の将軍だった人です。
そして、その将軍が大政奉還を行い、徳川の世を終わらせることになった。
その後、ここで謹慎した。
将軍だった人が、歴史の大きな転換点のあとに、幼い頃に学んだ場所へ戻り、そこで静かに過ごしていた。
そう考えると、なんともすごい話です。
しかも、その場所が今も残っていて、私たちはそこに入ることができる。
私は、かなり感動しました。
一方、子どもたちはというと。
特に感慨はないようです(笑)。
まあ、そうですよね。
歴史を勉強しているとはいっても、「最後の将軍が、ここで謹慎していた」と聞いて、私と同じように感じるわけではありません。
そして、徳川斉昭。
水戸藩第9代藩主で、弘道館や偕楽園をつくった人物です。
弘道館と偕楽園は、セットで考えられていました。
弘道館で学び、偕楽園で休む。
学ぶことと、楽しむこと。
休むことも含めて、どちらも大切にする。
残念ながら、今回は偕楽園には行けませんでした。
でも、また行きたい場所が残りました。
子どもと感じたこと
今回の水戸は、これまでの旅とは少し違いました。
長女は中学3年生。
次女も小学5年生。
これまでの旅行では、子どもたちは「これは何?」「どうして?」と、その場で分からないこともたくさんありました。
今は、学校で歴史を学んできた分、
「あ、これは知っている」
ということも増えています。
弘道館を歩きながら、
水戸徳川家。
徳川斉昭。
徳川慶喜。
幕末。
桜田門外の変。
大政奉還。
それぞれ別々に覚えていた歴史が、ひとつの土地の中でつながっていきます。
徳川慶喜が謹慎した場所を見たあとには、京都の二条城のことも思い出します。
二条城で大政奉還。
そして、水戸の弘道館で、その後の謹慎。
歴史は、教科書のページごとに区切られているわけではないんですよね。
実際の土地を訪れると、人物や出来事が線でつながっていく。
そして、そんなことを考えながら歩いていた私は、ふと思いました。
私、昔は歴史が大嫌いだったんです。暗記に苦手意識があります。
年号を覚えるのも嫌い。
人物名を覚えるのも嫌い。
何が何だか、さっぱり面白くない。
それが今では、
「この人は、ここで何をしていたんだろう」
「この出来事と、あの出来事はどうつながっているんだろう」
と、気になって仕方がない。
歴史に、すっかり耽っている。
不思議なものです。
そして、子どもたちは今のところ、私ほど歴史に感動していません(笑)。
でも、いいのだと思います。
今すぐ好きにならなくてもいい。
いつか何かのきっかけで、昔見た場所や聞いた名前がつながるかもしれない。
親が面白いと思ったものを、子どもも同じように面白いと思う必要はない。
それでも、親が面白がっている姿を見て育った子どもが、いつかまた別の場所で何かを面白いと思うことがあるのかもしれません。
そうやって、学ぶことは次の世代にもつながっていくのかな。
そんなことを思いました。
そして、弘道館と偕楽園の「学ぶこと」と「楽しむこと、休むこと」という組み合わせも、今の私たちには大切なのかもしれません。
中学受験の勉強は、とにかくやることが多い。
サピックスの宿題も多く、これを6年生までずっと走り続けるのは、なかなか大変です。
夏期講習のように、今まさにダッシュしている時期だからこそ、
休むこと。
勉強以外のことを楽しむこと。
そういう時間も、意識して取り入れていかないといけないなと思います。
学ぶことだけが大切なのではない。
楽しむこと、休むことも含めて、人は学んでいく。
徳川斉昭が、弘道館と偕楽園をつくったことを思うと、なんだか今の自分たちにも通じるものがあるような気がします。
中学受験では、たくさんのことを覚えます。
でも、学ぶことは、テストが終わったら終わりではない。
むしろ、知れば知るほど、
「もっと知りたい」
が増えていく。
今回の水戸の旅で、私はそんなことを感じました。
この「中学受験×旅」シリーズも、今回でいったんおしまいです。
地図で見ていた場所に実際に行ってみる。
そのときは分からなかったことが、あとから学校の勉強や本、テレビなどとつながる。
そして、また行ってみたい場所が増える。
旅をしたから勉強ができるようになる、ということではありません。
でも、旅の中で見たものが、いつかどこかで学ぶきっかけになることはある。
そして、旅を重ねるうちに、私自身にも「まだまだ学びたい」が増えてきました。
歴史も、地理も、文化も。
知れば知るほど、実際に見てみたくなる。
昔は歴史が大嫌いだった私が、今では歴史に耽っている。
人って、いつからでも変わるものなのかもしれません。
だから、これで終わりというより、
「中学受験×旅」は、いったんここまで。
10回の旅を振り返ってみると、まだ行ってみたい場所もたくさんあります。
また、どこかへ行きたくなったら。
そのときは、また新しい旅が始まるのだと思います。
今回は、いったん、おしまい。

