JK、インドで常識ぶっ壊される
熊谷はるか
河出書房新
夏休みに娘が読んだらいいなと思って手に取った本でした。
……が、残念ながら娘は1ページも読まず(笑)。
ということで、私が読みました。
※以下、内容に触れます。
主人公は、インドで暮らすことになった女子高校生。
日本で当たり前だと思っていたことが、インドでは当たり前ではない。
食事、学校生活、人との関わり、社会の仕組み。
多感な時期に異文化の中で生活した経験を、ここまで言葉にできることがまずすごいなと思いました。
「海外に行った」という経験だけではなく、そこで感じた違和感や葛藤を、自分の中で消化して表現している。
こんな経験を高校生でしてしまったら、人生観が変わるだろうなと思います。
特に印象に残ったのは、インドで暮らす中で、使用人を雇う側になったことについて考える場面でした。
食事を作ってもらうこと。
学校へ送ってもらうこと。
自分でできることを、誰かにお願いすることは正しいのか。
一方で、その仕事によって相手の生活が成り立っているという側面もある。
「やってもらう側」と「やる側」。
単純にどちらが良い、悪いでは片付けられない問題です。
この部分を読みながら、私は自分の仕事についても考えました。
会社では、同じ部署にいても経験や知識によって、できる仕事の範囲や責任は異なります。
役割分担をすること。
誰かに仕事を任せること。
それは、必ずしも「自分でできることを人に押し付ける」ということではなく、限られた時間の中で、それぞれの力を活かすための仕組みでもあります。
ただ、任される側からすると、その背景は見えにくいもの。
「なぜ自分がこの仕事をするのか」
「なぜこの役割なのか」
経験が浅い時ほど、疑問に思うこともあると思います。
だからこそ、仕事の目的や背景を伝えること、そして支えてくれる人への感謝を言葉にすることは大切なのだろうと思いました。
この本で描かれている大きなテーマは、生まれた場所や家庭環境によって、人生の選択肢が大きく決まってしまう社会についてなのだと思います。
日本に生まれた私たちは、もちろん環境による違いはありますが、挑戦する道が比較的開かれている社会にいます。
娘へ。
これから先、たくさんの人や価値観に出会って、自分がやりたいことを見つけていってほしい。
「当たり前」を疑う経験も、自分の世界を広げるきっかけになると思います。



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